[営業時間]10:00~17:00 [定休日]水曜日・祝日

blog

賃貸の原状回復で壁紙はどうなる?費用相場とトラブル回避のポイント

  • 早川純平
  • リフォームQ&A
  • リフォームお役立ちコラム

賃貸の原状回復で壁紙はどうなる?費用相場とトラブル回避のポイント

地元密着54年!知多半島のリフォーム専門店「リフォームウイング」です。

賃貸物件における原状回復とは、「入居者の故意や過失によってできた損傷や汚れを、退去時に元の状態に戻すこと」です。壁紙の張り替えやメンテナンスもその対象となりますが、必ずしも、入居者が負担する状態とは限りません。


今回のお役立ちコラムでは、賃貸の原状回復において壁紙の張り替えは誰が負担するのか、それぞれのケースや交渉時のコツ、注意点などを詳しく解説します。


▼合わせて読みたい▼

壁紙ひと張りで部屋が激変!クロス張替え費用と映えデザイン



リフォームウイングお問い合わせバナー

賃貸の原状回復において壁紙の張り替えは誰が負担する?

賃貸物件の原状回復における壁紙の張り替え費用は、その原因によって入居者とオーナーのどちらが負担するかが決まります。公正な判断を考える上では国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方が、判断の基準になるでしょう。


ただし、原状回復に関するルールが契約書に特約として記載されている場合もあります。入居前に契約書の内容をよく確認しておくことが、退去時のトラブルを避けるために非常に重要です。


参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

壁紙の原状回復をオーナー(貸主)が負担するケース

壁紙の原状回復をオーナー(貸主)が負担するケース

 

・日焼けによる色褪せ

窓から入る太陽光で壁紙が変色した。

・家具の設置による壁紙のへこみや黒ずみ

家具を置いた部分にできる、やむを得ない傷や汚れ。

・冷蔵庫の裏側の黒ずみ

家電の熱や埃によってできる汚れ


基本的には、経年劣化や通常損耗による壁紙の張り替え費用は、オーナーが負担します。これらは、入居者が普通に生活を送る中で発生するものであり、その費用は家賃に含まれていると考えられるからです。


たとえば、太陽光による壁紙の変色は避けることが難しく、経年劣化として判断されるのが一般的となっています。

入居者(借主)が負担するケース

・タバコのヤニによる変色や臭い

喫煙によって壁紙が黄ばんだり、臭いが付着したりした場合


・ペットによるひっかき傷や汚れ、臭い

ペットを飼育することで生じた壁の傷や、排泄物による汚れなど


・子どもの落書き

意図的に壁に書かれた落書き


・結露を放置したことによるカビやシミ

こまめな換気を怠るなど、注意義務を怠った結果、カビが広がった場合


・ものをぶつけてできた大きな穴や破れ

不注意で家具などをぶつけた場合など


一方、入居者の故意や過失、善管注意義務違反によって生じた壁紙の損傷や汚れは、入居者が費用を負担する義務があります。ただし、入居者が負担する場合でも、損傷した壁紙の費用全額を負担する必要があるとは限りません。


たとえば、損傷した部分だけでなく、壁の模様や色を合わせるために、損傷した面全体を張り替える費用を請求されることが一般的です。ただし、部屋全体の張り替え費用を請求されることはありません。


また壁紙には耐用年数(一般的に6年)が設定されています。入居期間が長くなるほど、壁紙の価値は減っていくため、負担額もそれに伴って減少するでしょう。たとえば、入居から3年で退去する場合、残りの価値分(3年分)を負担する形になります。


6年以上入居しているならば、全ての壁紙を交換するのが一般的ですから、よほどのことがなければ、入居者が張り替え費用を負担することはないでしょう。

リフォームウイングお問い合わせバナー

壁紙の原状回復に関するトラブルを避けるコツ

壁紙の原状回復に関するトラブルを避けるコツ

 

賃貸物件の原状回復に関して、トラブルを避けるためのコツは、入居者側とオーナー側の双方が事前にしっかりと準備し、認識を共有しておくことです。

入居者ができること

最も重要なのは、「記録」です。入居する前に、部屋の壁や床にある既存の傷、汚れ、設備の不具合などをスマートフォンで細かく撮影しておきましょう。これにより、退去時に「元からあった傷ではないか」と主張する際の有力な証拠となります。


また、契約書は隅々まで確認し、原状回復や特約 の項目を特に注意して読みましょう。「ハウスクリーニング代は借主が負担する」といった特約がないか確認しておくことで、不要な費用請求を防げます。

オーナーができること

オーナー側は、契約内容を明確にすることが何より重要です。国土交通省のガイドラインを参考に、何が経年劣化で何が入居者負担になるのかを具体的に契約書に記載しましょう。曖昧な表現はトラブルの元になります。


入居者と一緒に、入居前の物件の状態を写真やチェックリストで記録し、双方で共有しておくことも有効です。これにより、退去時に「言った、言わない」の水掛け論を防げます。

賃貸の原状回復に関する交渉のコツ・注意点

賃貸の原状回復に関する交渉のコツ・注意点

 

賃貸物件の原状回復において、壁紙の張り替え費用を交渉する際のコツと注意点を、入居者側とオーナー側に分けて解説します。

入居者側の交渉術

「経年劣化」と判断できるかどうかが重要なポイントです。壁紙の損傷がタバコのヤニやペットの傷など明確な過失でない限り、日焼けや画鋲の穴は通常損耗であると主張しましょう。これらの主張は国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が根拠となります。


オーナーが請求してきた損傷について、それが本当に自分の故意や過失によるものか冷静に判断しましょう。「うっかり」による小さな傷や汚れは、善管注意義務の範囲内だと反論できる場合があります。


また、壁紙の耐用年数は6年です。もし6年以上住んでいる場合、壁紙の価値はゼロに等しいと見なされ、理論上は負担額もゼロになります。契約書に特約があっても、減価償却の考え方を持ち出すことで、費用を大幅に減らせる可能性があるでしょう。


注意点としては口頭でのやり取りは後で「言った、言わない」のトラブルになりがちです。メールや書面で記録を残すようにしましょう。

オーナー側の交渉術

入居者とのトラブルを避けるために、契約書に「通常損耗も借主が負担する」といった特約を明記しておくことが重要です。ただし、特約の有効性については、入居者に明確に説明し、合意を得る必要があります。


退去時に請求する際は、どの部分に、どのような損傷があるのか、写真や動画で具体的に提示すと交渉もスムーズになるでしょう。たとえば、タバコのヤニによる黄ばみやペットのひっかき傷など、入居者の過失であることが明確な証拠を揃えることをオススメします。


画鋲の穴でも、明らかに数が多かったり、壁全体に無数に空けられていたりする場合は、「善管注意義務違反」を主張できるでしょう。入居者の通常の使用範囲を超えていることを論理的に説明するとトラブルも少なくなります。


注意点として経年劣化や通常損耗の費用を入居者に請求することはできません。ガイドラインに沿った請求を心がけましょう。


また、入居者の負担額を不当に高く請求すると、トラブルに発展するだけでなく、最終的に少額訴訟などで敗訴するリスクもあります。適切な金額を請求することが重要です。


リフォームウイングお問い合わせバナー

賃貸において壁紙の原状回復にはいくらかかる?

一般的な壁紙(量産品)の張り替え費用は、1平方メートルあたり1,000円〜1,500円が相場とされています。この単価には、壁紙の材料費、古い壁紙を剥がす費用、職人の人件費などが含まれています。


たとえば、6畳部屋の壁紙の面積は約30〜45平方メートルになることが多く、4万円〜7万円程度が目安です。


トイレや洗面所は、部屋全体よりは狭いですが、便器や洗面台など障害物が多いことから、2万円〜5万円程度かかることがあります。


損傷した部分だけでなく、柄合わせのために壁一面を張り替えることが多く、その場合は1面あたり3万円〜5万円程度が目安となるでしょう。

FAQ|賃貸の原状回復で壁紙はどうなる?費用相場とトラブル回避のポイントについてよくある質問

賃貸の原状回復における壁紙の扱いは、契約や状況によって大きく変わります。ここでは、入居者・オーナー双方から寄せられる代表的な質問に回答します。

Q. 6年以上住んで退去する場合、壁紙の張り替え費用は請求されますか?

  1. 一般的に壁紙の耐用年数は6年とされているため、6年以上経過していれば価値はゼロとみなされます。そのため、よほどの損傷がなければ入居者に費用が請求されることは少ないです。

Q. 壁に画鋲やピンを刺した穴も入居者負担になりますか?

  1. 通常の範囲であれば「通常損耗」としてオーナー負担となります。ただし、過度に穴が多い場合や壁全体に広がっている場合は「善管注意義務違反」として入居者負担になる可能性があります。

Q. タバコを吸っていた場合、壁紙は全額負担しなければなりませんか?

  1. 喫煙によるヤニや臭いは入居者の過失と判断されるため負担が発生します。ただし、壁一面単位での張り替え費用が一般的で、部屋全体の張り替え費用を全額請求されることはありません。

Q. ペットによる傷や臭いはどう扱われますか?

  1. ペットのひっかき傷や排泄物による汚れ・臭いは入居者負担となります。特に賃貸契約でペット飼育が禁止されていた場合、違約金的な請求が追加されるケースもあるので注意が必要です。

Q. トラブルを避けるために入居者ができる対策は?

  1. 入居時に壁や床の状態を写真で記録し、退去時に「元からあった損傷」と区別できるようにしておくのが有効です。契約書の特約も必ず確認し、不明点は入居前にオーナーへ確認しておきましょう。

リフォームウイングお問い合わせバナー

リフォームウイングに相談して安心の原状回復を

リフォームウイングに相談して安心の原状回復を

 

賃貸の原状回復で壁紙の費用負担をめぐるトラブルは少なくありません。入居者・オーナー双方がガイドラインを理解していても、実際の現場では「通常損耗か過失か」をめぐって争いになるケースが多いのです。そのため、専門知識を持つ第三者に相談することで、冷静かつ公平に判断できる場合もあります。


リフォームウイングでは、長年の施工経験を活かし、原状回復に関するご相談から工事内容のアドバイスまで丁寧に対応しています。費用の妥当性や施工の必要性についても中立的にご説明するので、安心してお任せいただけます。賃貸退去や壁紙の張り替えで不安がある方は、ぜひリフォームウイングまでお問い合わせください。


問い合わせフォームからのお問い合わせ、メールや電話でのご相談、さらにはショールームでの直接ご相談もお待ちしております。

リフォームウイングお問い合わせバナー

早川純平
PROFILE

この記事を書いたスタッフ