光熱費−30%は本当?二重窓の断熱効果を徹底検証
- 早川純平
- リフォームお役立ちコラム
地元密着54年!知多半島のリフォーム専門店「リフォームウイング」です。
電気代やガス代を節約したい場合、二重窓(内窓)という選択肢があります。「断熱効果による光熱費削減」が期待できるからです。
「本当に30%も光熱費を抑えられる?」「効果は実感できる?」と、疑問を持つ方もいるでしょう。二重窓で光熱費の削減効果が期待できるかどうか「仕組みを知りたい」という方もいます。
そこで今回のお役立ちコラムでは、二重窓の断熱効果についてくわしくお話しします。設置後のメリット・デメリット、国や自治体の補助金制度のことまで、さまざまな情報を盛り込んでおりますので、ぜひチェックしてみてください。
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暖房しても寒い?冷房を付けても暑い?窓に問題があるかもしれません
エアコンを稼働させているのに、冬は寒くて夏は暑いという経験はありませんか?もしかしたら窓に問題があるかもしれません。住まいの中で熱の出入りが最も激しい場所は、開口部分、つまり窓です。
一般的な窓は壁や屋根と比較すると、断熱性能は高くありません。壁や屋根には断熱材が設置されています。窓には断熱材がないため、冬になると外の冷たい空気が窓から侵入しやすくなります。夏になるとエアコンで涼しくなっても、冷気が外へ逃げるのです。
冷暖房機器を全力で稼働していても、窓からの熱の出入りが激しいと快適な室温に保てません。電気代だけ膨らむという最悪の状況をもたらします。
騒音や結露の原因は「単板ガラス」にある?
単板ガラスは築年数が古い住まいでよく見られます。ガラスが1枚しかないため、断熱性能が低いのです。ただし、断熱性能以外に、防音性能や気密性能も低いという特徴もあります。
外の騒音や結露がしやすいという大きなデメリットです。幹線道路沿いの立地では、交通量も他のエリアより多いですから、外からの音も多数あります。気密性が低いと、結露も発生するリスクも高まるのです。
結露は暖かい水蒸気を豊富に含んだ空気が冷やされて「飽和水蒸気量」以上になると、余分な水蒸気が水に変わる現象を指します。飽和水蒸気量とは、1立方メートルの空間に存在できる、水蒸気の質量をグラムで表したものです。飽和水蒸気量と同等の温度では、空気が冷やされ窓に水滴が発生し始めます。
結露は住まい内部の湿度を高める要因です。高湿度はカビやダニが繁殖するきっかけになります。カビの胞子やダニの死骸を吸い込めば、アレルギーの発症リスクも高まるのです。
断熱とは?
そもそも「断熱とはなにか?」という点を明確に理解しないと、すっきり頭の中に入ってこない方もいるかもしれません。住まいの断熱とは、壁・床・屋根・窓などを通して、建物内外の熱移動の減少を指しています。
熱は温度の高いところから低いところへ移動する性質を持っているのです。たとえば、冬に暖房を付けて部屋を暖かくしても、暖房を切れば冷えてしまいます。暖房で温まった空気は、温度の低い室外へ移動するのです。
逆に夏は外から熱気が入り込みます。冷房の効いた部屋のほうが、温度は低いからです。移動を減らせば、快適な住空間を確保できます。住まいに断熱材を設置するのは断熱性を高めるためと言ってもいいでしょう。
窓から逃げたりする熱は家全体の58%
冬、暖房を付けても窓のような開口部から暖かい空気が逃げる割合は58%と言われています。他には屋根・床・換気・外壁ですが、20%に達しません。
夏、冷房を付けていた場合、開口部から熱が入る割合は73%とされています。屋根は11%ですが、床・外壁・換気では10%にも至りません。
壁や屋根よりも、圧倒的に窓のような開口部が大いに関係します。つまり窓の性能を高めれば、断熱性能向上の期待が持てるのです。
二重窓の断熱効果を科学的に検証!本当に光熱費削減が可能?
二重窓は本当に断熱効果があるのでしょうか?建築材料や住宅設備機器業界最大手のLIXILによる試算データがあります。
普段使っているリビングや、寝室などの半分である9つの窓を断熱リフォームするだけで、年間約2万円節約できることを示しました。
改修前、アルミサッシや単板ガラスだと電気使用量は3,650kWh、年間電力費用は98,562円でした。LIXILの内窓で9窓とドアを改修したところ、電気使用量は2,789kWh、年間電力費用は75,309円という結果です。電気使用量はマイナス861kWhで、電力費用は23,253円という削減効果を示しました。
参照:環境省 窓の断熱リフォームから、暮らしの脱炭素を始めよう
音の遮断率は?交通量の多い道路沿いでも快適に
窓の遮音性能を示す指標に「JIS A4746 サッシ」の規格があります。T-1等級からT-4等級の4つの性能等級です。T-1で約25dB、T-4で約40dBが要求されています。40dBとは静かな公園レベルに匹敵する環境です。
T-4は最も遮音性能が高いことを示しています。T-3まで一重サッシはありますが、T-4レベルだと二重サッシしかありません。この点からも遮音性に関する二重窓の有効性は示されていると言ってもよいでしょう。
参照:一般社団法人 日本サッシ協会 窓の性能とJIS基準について
二重窓(内窓)の効果が出やすい条件・出にくい条件とは?
二重窓の効果はどのような住まいや建物でも引き出せるわけではありません。その点を把握していないと、ニーズを満たせない可能性が出てくるのです。
まずは効果が出やすい住まいの特徴についてお話しします。
窓が大きい・数が多い
断熱性能が求められるのは窓が大きく、数も多数ある住まいです。断熱性を考える場合、窓からの熱移動が最も大きいとされています。
掃き出し窓のような大きな窓、窓を多く設置している住まいでは、二重窓を設置すると熱移動による熱の損失の削減が期待できるのです。
経済産業省資源エネルギー庁でも、既存の窓の内側に新しく内窓を設置し、二重窓にすることを推奨しています。複層ガラス窓と同レベルの断熱性が確保できるでしょう。
参照:経済産業省資源エネルギー庁 家庭向け省エネ関連情報省エネ住宅
北側に面した部屋
二重窓に適しているのは、北側に面した部屋です。日当たりが悪いためで、とくに冬場は冷え込みやすいと言えます。二重窓を設置すれば、外の冷気が侵入しにくくなるため、室内の暖かさを確保しやすくなるのです。
高層階
高層階は風の影響を受けやすい特徴があります。冬場は窓から冷気が侵入しやすく、熱損失が大きくなるのです。二重窓を設置すれば、高層階でも外気の影響を受けにくくなります。
防音では幹線道路や鉄道沿いのほか、空港周辺など外部からの騒音に悩んでいる場合、二重窓が助けになります。多くの子どもたちの声が聞こえてくる、公園や学校のそばでも、落ち着いた静けさを求めるなら対策になるのです。
窓と窓の間にできる空気層により、音の振動を吸収して遮音性能を高めます。
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2025年の補助金制度もチェック
二重窓を導入したくても、資金に不安があると簡単にできません。そのような不安がある方は、国や自治体が用意している、補助金や助成金をチェックしてみてください。
たとえば先進的窓リノベ2025事業では、開口部の断熱改修をする場合、補助金を出しています。先進的窓リノベ2025事業について、くわしくお話しします。
先進的窓リノベ2025事業の目的
目的は「暮らし関連分野のGXの加速化」です。GXとは、グリーントランスフォーメーションを意味しています。現状、エネルギーを生み出しているのは化石燃料です。化石燃料は地球温暖化問題の原因とも考えられています。
地球温暖化問題に対処し、持続可能社会を実現するため再生可能エネルギーの利用促進を通じ、環境に優しい社会を目指しています。それがGXです。
補助対象事業と補助対象者
補助対象事業は開口部の断熱改修(リフォーム)です。補助対象者は工事発注者となります。ただし、先進的窓リノベ事業や先進的窓リノベ2024事業で、すでに補助金を受けた開口部に対しては認められません。
住宅が対象という大前提もあります。住宅は人が住むための家屋です。不動産登記や固定資産の課税で、住宅以外の用途に分類されるものは認められません。住宅だとしても、住宅以外の用途に使用している内容は認められないのです。たとえば店舗や施設が当てはまります。
補助額
補助額は、補助対象工事で設置する製品の性能や大きさなどで決定します。ほかにも、設置する住宅の建て方に対応した、製品ごとの補助額の合計と決められています。ただし、本事業の性能要件を満たした製品のみです。
【上限は1戸あたり200万円です】 1申請あたり合計補助額5万円以上の工事のみが対象となります。
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交付申請期間は、申請受付開始から予算上限に達するまでです。遅くとも、2025年12月31日までとなっています。交付申請予約期間は、申請受付開始から予算上限に達するまでで、遅くとも2025年11月14日までが目安です。
予算上限に達すると申請期間中でも締め切られる可能性は高いため、早めに申請しましょう。
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あなたの住まいには二重窓が必要?チェックリスト
以下のチェックリストに1つでも当てはまったら、二重窓(内窓)のリフォームを検討してみてください。窓の断熱性能不足かもしれません。
- ✅朝起きると窓に水滴が多数発生している
- ✅暖房を入れても足元が暖かくならない
- ✅エアコンの効きが悪い
- ✅夏場や冬場になると電気代が異常に高くなる
- ✅外からの騒音が気になって仕方ない
今こそ「リフォームウイング」で二重窓リフォーム!快適&省エネ生活への第一歩はご相談から
二重窓(内窓)の断熱効果は本当に光熱費を大幅にカットできるのか、不安や疑問を感じている方も多いかもしれません。しかし、近年の試算や実際の施工例からも、確かな断熱・防音・結露防止効果が明らかになっています。
リビングや寝室などの窓を「リフォームウイング」で二重窓リフォームするだけで、光熱費削減や快適な住環境の実現につながります。国や自治体の補助金も活用できる今こそ、暮らしの見直しに最適なタイミングです。
「窓からの冷気や暑さが気になる」
「電気代やガス代が高い」
「騒音や結露に悩んでいる」
と感じたら、まずはリフォームウイングまでお気軽にご相談ください。お問い合わせフォーム・メール・電話でのご相談はもちろん、ショールームへのご来店もお待ちしております。
専門スタッフが最適な断熱リフォームをご提案し、皆さまの快適な住まいづくりを全力でサポートします。